ミステリアスなアルバニア
アルバニアに入ってから、女性の美しさが2倍ぐらいになりました。
西欧に比べ、バッチリメイクにくっきりとした顔立ち。
可愛いというより、美しい・神々しいと言った感じの女性が増えました。
あと、おっちゃんが相当渋いです。
常に暇そうに、ベンチに座っているおっちゃんが相当渋い。
若い頃弾けてたんだろうなぁ。
今は、日向でぼーっとしている姿を見てそう思いました。
12月3日 ベラト
朝ごはんとコーヒーを無料で頂く朝。
アテネにいるとき、パソコンで見た街の画像を見て別に行くほどではないなーと思っていたベラトをすごい気に入っている。
旅ってこういうもので、予想外なところにお気に入りが転がっている。
アルバニアはとても独特な歴史を紡いで来た。
古くは14世紀、オスマン帝国に侵攻され、1478年には完全に支配下に入る。
以後400年間、オスマン帝国の支配を受け、今でも国民の約7割はムスリム。
その後独立を果たすが、アルバニア公国→アルバニア共和国→アルバニア王国と不安定な時期が続き、1943年にはドイツ軍の占領下に入る。
1946年に、アルバニア人民共和国となり、共産主義政権が成立。
中ソ対立が本格化した1961年からソ連を仮想敵国とした極端な軍事政策を展開し、隣国とも厳しく対立。
1978年から1991年まで鎖国状態に入り、国民はピザやバナナの存在すら知らず、世界で一番裕福な国だと思い込んでいたらしい。
鎖国を解除し、開放路線に進んでからも多難。
資本主義経済の導入、外国からの援助を受けたが、1990年代ネズミ講が大流行し、1997年のネズミ講破綻で国民の1/3が全財産を失った。
この背景には、投資の知識がなく、「投資=ネズミ講」と思い込んでしまったことが原因だとか。
もともと脆弱を極めた経済が一気に破綻し、市民が暴徒化。
政権が転覆し、無秩序状態に陥った。
こうやって書くと、本当に救いようのない感じ。
ただ、昨日アルバニアを歩いて見て思ったのは、貧しいけど心はとても豊かだ。
宿の前の通りを少し歩く。
どこか古めかしい感じがする。
時々強くなる風が冷たい。
宿の近くでお人形遊びをしていたリキャバちゃん。
髪をといて、これから着せようとしている何種類かの洋服を道に並べている。
哀愁漂うこの風景が、しっくりくる。
バリバリの平成生まれなのに。デジタルを使いこなしているのに。
宿のあるあたりは、歴史地区として世界遺産に登録されている街並み。
川を挟んで、クリスチャンとムスリムの家が立ち並ぶ。
宿のあるこちら側はクリスチャンのエリア。
「千の窓」と称される独特な家はオスマン帝国時代の名残だそう。
窓が本当に多い。
白い漆喰に、赤い屋根。
窓から銃を出して、戦うこともできる。
さすがに「千の窓」は言い過ぎだとは思うが、それでも窓は多い。
山に張り付くように立ち並ぶ家は圧巻。
そんな歴史地区から東に大きな道が走っていて、両サイドには銀行やレストランが立ち並ぶ。
生活に必要なものがコンパクトにまとまっており、人通りも多い。
カフェでは、おっちゃん達が楽しそうにコーヒーを飲んでいて、のどかな感じだ。
街には、大きくて立派なキリスト教の教会と、イスラム教の美しいモスクが建っており、この国の宗教の複雑さを感じる。
ヨーロッパだけど、イスラム教が約7割。
宗教のこともあってか、「ヨーロッパにあるけど、ヨーロッパでないような」そんなミステリアスな雰囲気もヒシヒシと伝わって来た。
カフェのテラスでお昼ご飯。
ピザ300円。
アルバニアの食に関しては100点。
物価は安いし、どれも美味しい。
つい25年前にはピザを知らなかった国民がいるぐらいなのに。
お腹を満たしたところで、急な坂道を登りベラトを一望できるベラト城へ。
この時点でかなりの息切れ。
というか、最近本当に太った。
多分友達と会うとびっくりされると思う。
体重はもちろん、お腹がすごい出ている。
やばい。
さらに急斜面を登る。
山城になっていて、城壁の外は放牧地になっているみたい。
ベラト城と言っても、残っているのは城壁の一部分だけ。
崩れそうな城壁を抜けて、さらに進む。
これは後から知ったんですが、写真に載っているこの道は地元の人用の道で、本当は、舗装された坂道の途中にチケットボックスがあったみたいです…
放牧中。
首の鈴がチリンチリンと鳴り響く。
落ち着くなぁ。
先っぽまで来ると、この景色。
千の窓の街を一望できる。
地元の人は、どこから登って来たのかわからない急斜面でおしゃべりしていた。
実際は写真で見るよりだいぶ高いところ。
遠くには、綺麗な山々が見える。
アルバニアは手付かずの自然の宝庫かもしれない。
CGのように揺れる国旗。
アルバニア人は鷲の子孫という伝説があり、鷲が国旗に描かれているそう。
帰りにいた野良犬。
※こっち見てます。
坂を下り、宿に戻って小休憩。
アメリカ人の男性が来たみたいだが、それでもこの大きな宿を2人で使えるのはオフシーズンならでは。
ムスリムの家が集まる地区のライトアップ。
そして、昨日と同じレストランへ。
ここに行くために延泊したと言っても過言ではない。
中は、地元の人で賑わう。
アジア人が珍しいのか、ジロジロ見られるが、気にせず飲む食らう。
コルチャビール。
穀物のいい香りが広がる。
コルチャとはアルバニア南部の街みたい。
ティラナビールといい、街の名前を冠したビールが主流なのかな。
アルバニア伝統のサラダを注文。
昔までトマトが大嫌いだったんですが…
今では、食べれるようになりました。
好きではないですけど。
ケバブを頼むと必ずトマトが入っているので、食べてたら克服できた。
アルバニア版ミートボール。1つ50レク(50円)
これがかなり美味しい。
ハンバーグとは違う。
ビールが1杯50レク(50円)なので3杯飲む。
サラダは150レク(150円)。
無料のガーリックトースト。
締めのコーヒーを入れても、合計で450レク(450レク)。
500レク渡して、お釣りはテーブルにおいた。
マジで最高のお店だ。
すごい名残惜しいが、明日には移動する。
明日、バスターミナル(ガソリンスタンドの裏の空き地)に行ってジロカストラ行きが運行再開しているかもう一度聞く。
もし運行してなかったら縁がなかったと思って諦めて、アルバニア北部のシュコダルに向かう。
もちろん宿は予約しない。
明日も行き当たりばったりで行って見る。
何か面白いことがあるかもしれないし。
押してもらえるとランキングが上がります!
現在9位!
にほんブログ村